ミャンマー華僑と台湾の若者が文化発信の拠点『三季sanji teahouse』をオープン!


こんにちは。ミャンマー街に通う人、amikawa()です。この度、ミャンマー街の入口に新しい喫茶店『
三季 sanji teahouse』がオープンしました。

このお店を運営するのは、雲南系ミャンマー華僑と台湾の若者。台湾に暮らすミャンマーの新世代が発信するミャンマー文化を体験してみませんか?

ミャンマー街に新しい喫茶店『三季 sanji teahouse』がオープン

三季 sanji teahouse

台北市のお隣、新北市。MRTオレンジ線の南勢角駅から徒歩5分の華新街には1960年代からミャンマー華僑が集まり、通称「ミャンマー街」と呼ばれています。

ミャンマー街(華新街)へはMRTの南勢角駅から興南路を歩いていくのですが、その興南路と華新街入り口の交差点手前に新しく『三季 sanji teahouse』がオープンしました。


これまでミャンマー街のお店と言えば、下町風情のある食堂やラペイエザイン(喫茶店)、雑貨店などが基本でしたが、『三季 sanji teahouse』は明るく清潔な現代っぽい雰囲気のお店で、ミャンマー街に新たな風を吹き込みました。

『三季 sanji teahouse』を運営するのは、雲南系ミャンマー華僑の楊萬利さん、台湾人の姚羽亭さんと江婉琦さんの三人が立ち上げた『鳴個喇叭 緬甸街』というミャンマー文化を紹介する若者グループ。

『鳴個喇叭 緬甸街』はこれまでミャンマー街のガイドツアーやZINE発行、台湾の書展などのイベント出展などマルチに活動をしてきました。今回オープンした『三季 sanji teahouse』は彼らの活動拠点であり、誰にでも開かれた喫茶店という形式となっています。


鳴個喇叭 緬甸街とは?



 グループ名『鳴個喇叭 緬甸街』は日本語にすると『ミンガラーバー ミャンマー街』。”ミンガラーバー”はミャンマー語の「こんにちは」を意味します。

立ち上げメンバーは雲南系ミャンマー華僑の楊萬利さん、台湾人の姚羽亭さんと江婉琦さんの三人。彼女らは台湾の文化部が主催する『青年村落文化計畫』に応募し、ミャンマー街の歴史や文化などの調査を行い、地方雑誌の製作やガイドツアーを通して台湾の人々にミャンマー街を紹介してきました。

グループの活動の痕跡はミャンマー街の食堂にも見られる

ミャンマー街のガイドツアー



鳴個喇叭 緬甸街』の活動でまず挙げられるのがミャンマー街のガイドツアー。華新街を歩きながら、食堂や喫茶店、雑貨店に立ち寄り、このエリアに暮らす人々のライフヒストリーを聞いたりミャンマーの食文化を体験できます。

ガイドツアーはこれまで不定期に開催されてきましたが、2022年にはガイドの育成講座も開催しており、今後もガイドツアーはちょくちょく開催されると思います。

ミャンマー街とミャンマーの文化が分かるZINE『မင်္ဂလာပါ 緬甸街』

မင်္ဂလာပါ 緬甸街

台湾ではここ数年ZINEが流行しており、様々な地方の若者たちが制作した雑誌がイベント等でも販売されています。

鳴個喇叭 緬甸街』が発行しているミャンマー街の雑誌『ミンガラーバー ミャンマー街(မင်္ဂလာပါ 緬甸街)』は現在vol. 6まで刊行されていて、1〜3号はサイト上でも公開されています。

台湾のミャンマー街で再現されているミャンマーの喫茶文化、国民食モヒンガー、雲南系(シャン)の稀豆粉(トーフヌエ)などをテーマに、ミャンマー街だけでなく、桃園市龍岡の泰緬孤軍たちが暮らすエリアの人々へのインタビューなど、これまであまり知られてこなかった角度から見た台湾社会を知ることができます。


台湾各地のイベントでは、ZINEだけでなくグッズやフードなどでミャンマー文化を紹介!

2021年新春の臺文基書展でのブース

これまで『鳴個喇叭 緬甸街』が発行したZINEは、台北や高雄などで行われる書展などのイベントで販売されていました。こういうイベントには各地の独立書店や様々な団体が参加し、個性あふれる冊子やグッズが並んでおり、今の台湾カルチャーを体験できます!

臺文基書展でブースにミャンマー街のZINEやグッズが並ぶ

書展のイベントでは、ZINEだけでなく、初の絵本『誰吃了我的豌豆烤餅?』や、ミャンマー街でおなじみの食べ物を描いたポストカードやマスキングテープも並んでいました。

新刊とマスキングテープを入手

2021年はコロナの関係でイベントの開催自体が少なくなっていましたが、2022年には徐々にイベントが行われるようになりました。4月には台北で行われた城南有意思というイベントの『春日晒書市集』で鳴個喇叭 緬甸街』の姿を発見。

2022年4月台北で開催された城南有意思『春日晒書市集』

『春日晒書市集』でのブース

この2022年4月に行われた『春日晒書市集』での新しい挑戦はフードの販売。ミャンマーと雲南(シャン)のテイストをアレンジしたおにぎり(「緬甸番茄鮮魚」「雲南哨子豬肉」)を販売しました。

この頃から鳴個喇叭 緬甸街』は華新街で料理教室やポップアップのお店を開くようになり、グループとしての活動が文字から実体へと広がっていったと言えます。

『春日晒書市集』ではミャンマー&シャン風味のおにぎりも販売

タマリンドジュース


2022年12月、試験運営中の『三季 sanji teahouse』へ…

三季 sanji teahouse

これまでの活動を布石に、『鳴個喇叭 緬甸街』がこの度実体のある拠点として構えたのが『三季 sanji teahouse』。2022年12月から試験運営が始まりました!

2022年12月の間は試験運営だそうで、営業時間は以下の通り。
  • 月・火→定休
  • 水・木・金→11:00~19:00
  • 土・日→12:00~20:00

1階は注文カウンターと客席、刊行物の販売も

三季 sanji teahouse

三季 sanji teahouseの入口を入ると、すぐに注文カウンターが目に入ります。

メニューはミャンマー街でもおなじみのラペイエ(ミルクティー)や、タマリンドジュースなどミャンマーでおなじみのドリンク類。

フードは雲南の破酥包、お餅のような粑粑、そしてラペッタミン(茶葉飯)。特に破酥包は楊萬利さんのお母さんがやっている老舗『阿芬雲南破酥包』の物。味は間違いありません。

三季 sanji teahouseのメニュー

ラペイエ(ミルクティー)はホットが65元、アイスが75元と、ミャンマー街の他のお店がホット30~35元、アイス40~50元で売っているのと比べると、少し高めに設定されています。

三季 sanji teahouse

店内一階を一見した際に、思ったより席が少ないかな?と思ったのですが、なんと2階にも席があるとのこと。私が訪れた日は2階に案内されました。

カウンターで注文と支払いを済ませ、商品はテーブルまで運んでもらえました。

三季 sanji teahouse一階客席

ZINEも販売中

店内一階では『鳴個喇叭 緬甸街』がこれまでに発行したZINEと絵本を販売しています。

絵本『誰吃了我的豌豆烤餅?』


2階は客席と、ミャンマー料理教室も

三季 sanji teahouse二階客席

二階へ上がると、大人数で座れるテーブル二台と、少人数用のテーブルが並んでいました。二階は料理教室としても使われるようで、大きめのテーブルにされているようです。

料理の仕込みをする萬利さん

ちょうど萬利さんが料理の仕込みをしている最中でした。(ラペッタミンの付け合わせの野菜だそうです)(お店に行けば鳴個喇叭 緬甸街のメンバーの方に会えるかもしれないなんて嬉しいですね)

ラペイエと破酥包を入手

破酥包は前述の通り、萬利さんのお母さん阿芬雲南破酥包の物。破酥包は中華まんのような食べ物で、具材は豚肉と小豆がメニューにラインナップされていました。

中華まんの皮の部分が層になっており、独特のもちもちした食感があります。三季 sanji teahouseでは豚肉の破酥包にはチリソースが一緒に提供されます。これは地元の方の食べ方だそう。

破酥包はチリソースを付けていただきます

終わりに

ミャンマー料理を描いたかわいいイラスト

雲南系ミャンマー華僑と台湾の若者が始めた『鳴個喇叭 緬甸街』。彼女たちが満を持して立ち上げた喫茶店三季 sanji teahouseが華新街の手前にオープンしました。

これまでガイドツアーやZINE発行などを通して台湾ミャンマー街の歴史や文化を紹介してきたグループですが、その活動は徐々にマルチに。文字だけでなく実体のある喫茶店として、ミャンマー文化を伝える拠点が誕生しました。

ミャンマー街と言えば基本的にはローカル感あふれるお店ばかりなので、初見では入りにくい雰囲気を感じていた方もいるかもしれません。そんな中、三季 sanji teahouseは新しく清潔な店構えなので、ミャンマー街散策の第一歩にぴったりの喫茶店だと言えます。ミャンマー街が初めての方もぜひ訪れてみてください。



三季 sanji teahouse
住所:新北市中和區興南路二段22-1號(map)
営業時間:月火定休・水木金11:00~19:00・土日12:00~20:00
アクセス:MRTオレンジ線「南勢角駅」4番出口より徒歩5分

ウェブサイト

instagram

Facebook 



参考記事
鳴個喇叭文化工作室 從緬甸街開始認識緬甸


ミャンマー街関連の記事:


当ブログの文章・画像の無断転載を禁じます。

ask.fm





コメント