台湾にもミャンマーのパゴダがある?南勢角後山の緬甸佛塔へ行ってきた話


こんにちは。台湾のミャンマー街に通うamikawa ()です。

ミャンマー街で話を聞いたり情報を調べているうちに、ミャンマー街(華新街)の裏手にある山にミャンマー式のパゴダがあるという噂を耳にしました。

今回は実際にそこへ行ってみたレポートです。

ミャンマーのパゴダが山の上にあるらしいという噂を聞いて


ミャンマー街に暮らすミャンマー華僑・華人にとって、ミャンマーで信仰されている上座部仏教はとても大切なもののようで、毎日行われる托鉢や毎月三峽の迦葉禅寺で行われている法会などで敬虔な信徒の姿を見ることができます。

華新街周辺には三ヶ所ミャンマーの仏教徒のための道場や集会所があるのですが、いつごろか山の上にもパゴダ(仏塔)があるという話を耳にしました。

また、雲南系ミャンマー華僑の楊萬利さんが主催するミャンマー街の街歩きツアーでもこの仏塔が取り上げられたり、このグループのInstagramのストーリーでもこの仏塔があげられており、存在がわかっていながら行き方がわからなくてモヤモヤした気持ちを抱えていました。

ミャンマー華僑の友人と初詣で烘爐地 南山福德宮を訪れたのですが、その際に「確かこの山道から行けるはず…」という話も聞いてGoogleストリートビューで探してみたものの結局わからず…。

最終的に「緬甸佛塔 南勢角」などのワードで検索したら行き方を解説したブログ記事があっさり見つかったので、こちらの記事を頼りに行ってまいりました。


地図に主要なスポットをまとめました。

「緬甸佛塔」で検索しても地図上にはスポットが出てこなかったのですが。どうやらパゴダのところにある「八面佛」は登録されているのを現地に行った後に発見しました。

登山口は華新街109巷をずっと登っていったところにあります。山歩き界隈では結構知られたルートのようで、道中ミャンマーのパゴダ目当て以外の人も見かけました。

詳しい行き方は記事の後半にまとめます(もしくは私が参考にした先述の記事を見てください)


南勢角山のパゴダへ


パゴダのある場所は南勢角山のハイキングルート上にあり、八面佛、パゴダ、仏像がたくさん納められた小屋、通路にある仏像と祠などが一定の範囲内に点在する形になっていました。

八面佛

華新街109巷の登山口からハイキングルートを辿って行くと、最初に目にするのはこちらの八面佛です。

ミャンマーのパゴダは八つの曜日別の仏様と守護動物がパゴダ周辺を囲んでいます。それぞれの生まれた曜日(水曜のみ午前と午後に分かれています)の場所でお祈りをするのだそうです。


それぞれの曜日が書かれたプレートと、それぞれの仏様と傍らには守護動物が並んでいます。

曜日ごとの守護動物


私が訪れた時には、新しいきれいな花が供えられていました。


八面佛の中央に鎮座する仏像には黄色の布がかけられていました。


私は水曜の午前生まれなのでこちらへお参りをしました。


ナーガに座る仏像

ナーガに座る仏像

八面佛の左手には上へ登る階段があり、そこから大きなパゴダのある場所へ行けるのですが、まずはハイキングルートの先にある仏像を見に行きました。

ナーガに座る仏像


ハイキングルート上にはナーガに座る仏像と、肋骨のういた仏像(釈迦苦行像かな?)が鎮座する水色の祠がありました。



水色の祠からさらに先へ進むと「往佛塔」のサインがあったので、ここがミャンマー仏塔エリアのもう一方の端になるようです。

山の上のパゴダへ


八面佛の所に戻り、この門から階段を登ります。


門の足元には白い象が。


中国風に見える布袋像と、左右には龍…?


ミャンマーの有名なゴールデン・ロック(チャイティーヨー・パゴダ)を模した金色の岩も飾られていました。


階段右手にはお坊さんが祀られていると思われる祠。


ここで靴を脱いで上がります。


山の上のパゴダには鮮やかな黄色の布が巻かれていました。

ここへ来る際に参考にしたブログ(2017年の記事)や世界宗教博物館のサイトに記載されていた記事(2018年〜2019年)に載っていた写真を見ると、当時はパゴダに布がかかっていなかったり、頭上の旗も無いようです。

おそらくミャンマー華僑の信徒の手によって敷地内の装飾などは年々追加されているのではないでしょうか。

獅子像

Googleマップにはこのパゴダを囲んで法会が行われている画像もありました。



大きな鐘と、托鉢を知らせる際にも使われている手持ちサイズの鐘。


ミャンマー街の仏壇でもおなじみの後光を背負った仏像がありました。訪れた時は昼間だったので光っていませんでしたが、夜にはライトアップされるのかもしれません。

敷地内には各地に寄進した人の名前が書かれたライトなどが設置されていました。


こちらの祠に安置されている仏像は、台座や室内の装飾がカラフルでとても可愛らしかったです。仏像はミャンマーから職人を呼んで作られているのでしょうか?

台座のタイルと水晶状の飾り


超人的な力を持つという「ウェイザー」

こちらはミャンマーでは有名な方の像なのでしょうか?どなたかご存知でしたら教えてください!

と書いたらさっそくしモヒンガーさん(@nangatrp_MM)が教えてくださいました。こちらの男性像はミャンマーで「ウェイザー」と呼ばれる超人的な力を持つ人で、この画像の左側・髪をオールバックにしているのがボーミンガウン、右側・白い服を着ているのがボーボーアウンという実在の人物だそうです。

ミャンマーでは仏教だけでなく、ナッ神という土着の精霊信仰やウェイザーのような超人的な力を持つ人間・高僧なども信仰の対象になっているそうで、そのような信仰が台湾に暮らすミャンマー華僑の間にも根付いているんだなと思わせる風景でした。


こちらの像は雨ざらしにならないようにケースに入っていました。


一角にある小屋の中には観音菩薩のような像と布袋像が集められていました。左手にかかっている絵も中国風で、ここだけミャンマー感が少し薄いです。


数年後には新しい仏像などが増えているかもしれないので、2021年1月現在の様子を記録として残しておきます。


中央のパゴダの周りにも八つの小部屋とそれぞれの仏様が安置されていました。小部屋の金色の装飾が美しいです。




仏像が納められている小屋


頂上のパゴダの見学を終え、まだ見ていなかった小屋へ。こちらも靴を脱いで上がります。


部屋の壁沿いにはずらりと並ぶ仏像が。大きいものから小さなものまでたくさんありました。信徒が寄進しているものなのでしょうか。

小屋の中央にはテーブルと椅子が置かれており、何かしらの用途に使われている部屋なのかもしれません。



こちらにも新しい花が供えられていました。こまめに手入れがされているようで、ミャンマー華僑の信仰の篤さが伺えます。


壇上に並ぶ仏像と仏塔。


ケースに入れられたエメラルド仏もありました。



ミャンマーのパゴダへの行き方

華新街109巷にある看板

南勢角山のミャンマーのパゴダ、通称「緬甸佛塔」への行き方をまとめます。まずはミャンマー街のある華新街からスタートします。

華新街をまっすぐ進み、屈臣氏(Watsons)のある忠孝街の交差点を前進し、華夏科技大學の横をまっすぐ進んで行きます。この通りが地図にもある華新街109巷で、この道がハイキングルートへ続いています。途中でいきなり急勾配の坂になるので注意してください。

華新街109巷

華新街109巷を進んで行った所。もう少しでハイキングルートの入り口が見えてきます。バイクはここの右手に停めることができますが、バイクや車でもう少し上まで道が続いているのでそのまま進んでもいいかもしれません(バイクで仏塔まで行くルートは未確認です)。


ハイキングルート入り口の看板。福德宮など他にもいくつかの見所のあるルートのようで、ミャンマーのパゴダ目当て以外の登山客も多いようです。


道中はコンクリートや石を積んでできた階段があるのでそこまで厳しい山登りではありません。ただ途中でいくつか道の分岐があるので、少々注意が必要です。仏塔までは登山口からおよそ30分です。


基本的には階段のある所を登って、小道を道なりに進んで行く形です。私有地なのか、ところどころ畑や小屋があったり、遊具のある公園などがあります。

今回私が歩いたのはハイキングコースですが、近くをバイクや車の走れる道路が並走しています。


道中半ばで「烘爐地(南山福德宮)1300m」「華興街登山口300m」(華新街の間違いかな?)の立て札があります。ここで道が分岐しています。


ここは左手へ進みます

(分岐と目印を掲載しようとすると、結局自分が参考にした記事と同じになっちゃいます…)


小屋の脇を進みます。時々バイクが通過することがあります。


ここもまた先述の記事と同じになりますが、このプレハブ小屋は通過せずに右手の階段方向に進みます。

前方はバイクや車が通れる道路です。地図上のポイントはこちら。バイクで来られる場合はここからハイキングルートに合流できるようです。


見晴らしも良くなってきます。


急な坂が続きますが、階段が整備されているので登りやすいです。往復で数匹の繋がれていない犬を見かけましたが吠えられることもなく穏やかでした。


階段を登り切ると左手に祠が見えます。そこからさらに進むとちょっとした広場と次の小屋が現れます。ここは道がT字になっていますが、小屋を左手に見ながら前進し、左の道を進みます


この画像の奥に伸びている道を進む形になります。この階段を登ればミャンマーの仏塔はすぐです。


最後の階段を登っている最中に右手にバドミントンコートがあります。(こんな山中になぜ)


階段を登りきったら左手頭上にパゴダがちらりと見えてきます。

このミャンマーの仏塔はいつからあるのだろう?


私がこの仏塔を訪れた時にちょうど詳しそうな台湾人のおじさん二人組(ミャンマー華僑の方じゃないのが意外でした)に出会い、この仏塔がいつごろできたのか尋ねてみたら「2~30年」と教えていただけました。

ネット上に残っている数年前の写真を見た感じ、以前は今より少し素朴なイメージでした。きっと最初は小さな仏塔から始まって次第に規模が大きく華やかになっていったのではないかと思います。

まだまだこの仏塔について得られている情報が少ないので、今後もっとミャンマー街で聞き込みをして、このブログの記事も内容を更新していこう思います。

そもそもミャンマー街でお店のオーナーさんたち(時にお客さん)に話を聞いても、仏塔といえば「三峽にあるやつでしょ」、「お寺なら忠孝街にあるよ」(←緬華佛教弘法會のこと)と、なかなかピンポイントでこの山の上の仏塔について知っている人に出会えず…。今回撮った写真を見せながらなら話がうまく進むかもしれません。


三峽の迦葉禅寺を訪問した時の記事はこちら
当日のツイート

ミャンマー街関連のツイートは「#今日のミャンマー街」でつぶやいています。




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