台北モスクでは毎週金曜日のお昼にハラールマーケットが開かれており、様々な異国料理が売られています。今回は台湾におけるイスラムの歴史を軽く振り返り、ハラールマーケットで売られていた異国グルメを紹介します。
戦後に増えたムスリムのために建てられた台北モスク
台湾では第二次世界大戦後、国民党と共に中国大陸からイスラム教を信仰する人が台湾へ渡り、モスクが求められるようになりました。台北では当初は永康街に近い麗水街の日本家屋がムスリムたちの礼拝所として使われていましたが、後に手狭となり、現在の台北モスクの建設が始まりました。
台湾におけるイスラム文化史を紐解くと、台湾に渡った最も初期のムスリムは明代にさかのぼります。彼らは台湾西海岸中部の鹿港などに上陸し、イスラム教の信仰を実践しつつ暮らしていたようです。
鹿港郭厝保安宮へhttps://t.co/N6f7CRZy1d
元々はアラブの血を引く閩南出身の郭一族の家廟で、雍正3年(1725年)に建設された台湾最古のモスクであった言われている。しかし現在は漢人の廟のようになっているhttps://t.co/hiCsI10HN8#台湾のムスリム社会https://t.co/jmr4h1xLbE pic.twitter.com/b4cg0hTDz6
— amikawa (@amikawa125) November 9, 2022
今では外観はすっかり道教の廟となっている鹿港の保安宮は、かつて台湾で初めてのモスクだったと言われています。しかし少数だったこの時代のムスリムは、次第にイスラムの慣習が薄れ、歴史の中に消えていきました。
台湾では第二次世界大戦後、国民党と共に中国大陸からイスラム教を信仰する人が台湾へ渡り、モスクが求められるようになりました。台北では当初は永康街に近い麗水街の日本家屋がムスリムたちの礼拝所として使われていましたが、後に手狭となり、現在の台北モスクの建設が始まりました。
台湾におけるイスラム文化史を紐解くと、台湾に渡った最も初期のムスリムは明代にさかのぼります。彼らは台湾西海岸中部の鹿港などに上陸し、イスラム教の信仰を実践しつつ暮らしていたようです。
鹿港郭厝保安宮へhttps://t.co/N6f7CRZy1d
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元々はアラブの血を引く閩南出身の郭一族の家廟で、雍正3年(1725年)に建設された台湾最古のモスクであった言われている。しかし現在は漢人の廟のようになっているhttps://t.co/hiCsI10HN8#台湾のムスリム社会https://t.co/jmr4h1xLbE pic.twitter.com/b4cg0hTDz6
今では外観はすっかり道教の廟となっている鹿港の保安宮は、かつて台湾で初めてのモスクだったと言われています。しかし少数だったこの時代のムスリムは、次第にイスラムの慣習が薄れ、歴史の中に消えていきました。
その後、中国で国共内戦が起こった1949年には中国から国民党政府と共に多くの華人が台湾へと撤退してきます。その中には華人のムスリムも含まれていました。国民党と共にやってきたムスリムの省籍は多様ですが、中でも雲南にルーツを持ち、タイ北部やミャンマーに暮らした背景を持つ華人ムスリムの存在を、現在の台北モスクに集まる人々の中にも見つけることができます。
その後、中国で国共内戦が起こった1949年には中国から国民党政府と共に多くの華人が台湾へと撤退してきます。その中には華人のムスリムも含まれていました。国民党と共にやってきたムスリムの省籍は多様ですが、中でも雲南にルーツを持ち、タイ北部やミャンマーに暮らした背景を持つ華人ムスリムの存在を、現在の台北モスクに集まる人々の中にも見つけることができます。
金曜のハラールマーケットへ
金曜日の正午にはイスラム教の特別な礼拝「ジュマ(主麻)」が行われ、それに合わせて台北モスクではハラールマーケットが開かれます。マーケットは毎週金曜日の10:00から14:00まで開かれ、途中12:00からは礼拝のため30分ほど休憩となります。
マーケットではハラールの肉や総菜などが販売されています。ここでブースを出しているのは雲南系タイ・ムスリムの泰皇小館の方や、雲南系ミャンマー華僑の方といった華人のムスリム。日によってはエジプト人などのブースも見かけました。とはいえ規模の小さなマーケットであるため、出ているブースも3~5店舗程度というささやかなものです。
華人であり、ミャンマーやタイに背景を持つ台湾のムスリム
金曜日の正午にはイスラム教の特別な礼拝「ジュマ(主麻)」が行われ、それに合わせて台北モスクではハラールマーケットが開かれます。マーケットは毎週金曜日の10:00から14:00まで開かれ、途中12:00からは礼拝のため30分ほど休憩となります。
マーケットではハラールの肉や総菜などが販売されています。ここでブースを出しているのは雲南系タイ・ムスリムの泰皇小館の方や、雲南系ミャンマー華僑の方といった華人のムスリム。日によってはエジプト人などのブースも見かけました。とはいえ規模の小さなマーケットであるため、出ているブースも3~5店舗程度というささやかなものです。
華人であり、ミャンマーやタイに背景を持つ台湾のムスリム
この日は泰皇小館さんの所でタマリンドソースの付いたサムサ、清真餅、もう一つのミャンマー華僑ムスリムの方のお店でダンパウッを購入しました。
エジプト人の方のブースで、牛肉とペンネのチーズ焼きを購入#台湾のムスリム社会 pic.twitter.com/spZWQuM6jP
— amikawa (@amikawa125) April 1, 2022
この日は泰皇小館さんの所でタマリンドソースの付いたサムサ、清真餅、もう一つのミャンマー華僑ムスリムの方のお店でダンパウッを購入しました。
エジプト人の方のブースで、牛肉とペンネのチーズ焼きを購入#台湾のムスリム社会 pic.twitter.com/spZWQuM6jP
— amikawa (@amikawa125) April 1, 2022
礼拝に集まる人々
金曜の特別な礼拝「ジュマ」 |
ハラールマーケットで食べ物を購入し、お店の方とお話をしていると、部屋にどんどん人が増えてきました。礼拝が始まる時間のようです。
中央の礼拝室だけでは空間が足りず、他の部屋にも人が集まる |
モスクの案内の方の話によると、会社勤めのムスリムは仕事を抜けてモスクを訪れ金曜の礼拝「ジュマ」に参加しているそうです。礼拝のために抜けた時間は、別の時間に残業をするなど対応しているとのこと。こうして金曜の日中に礼拝に訪れるのは中東やアフリカ系の方が多いとか。
一方、在台のインドネシア人は、工場や介護といった労働環境の特性や、学生という身分の方が多く、彼らにとっては金曜昼にモスクを訪れるのはハードルが高いそうで、インドネシア人の姿が多いのは彼らの仕事が休みとなる日曜日だそうです。
華人のイマーム |
礼拝室の外にも人があふれる |
二階は女性用の礼拝室になっている |
金曜の礼拝には多くのムスリムが集まる |
金曜の特別な礼拝「ジュマ」にはかなり多くのムスリムが集まり、モスクの大ホールだけでは空間が追い付かず、左右の部屋や、入口の外にまで人が整列しているほどでした。
礼拝が終わり、交流の時間に
ミルクティーを提供する方 |
礼拝が終わり、モスクの入口では無料でミルクティーとダール(豆のスパイス煮込み)が配られており、人だかりができていました。
ミルクティーは誰でもいただくことができる |
礼拝を終えた人たちはすぐには解散せず、ミルクティーやダールを手にしばし交流を楽しんでいるようでした。
豆をスパイスで煮込んだダールを配る方 |
ミルクティーをいただきながら話をうかがう |
終わりに
チャリティーのミルクティーとダールに並ぶ人々 |
台湾社会ではイスラム教徒はマイノリティーですが、金曜の礼拝の時間にモスクを訪れると「こんなにもたくさんムスリムの方が暮らしていたのか」と驚くほどでした。
金曜のハラールマーケットでは食べ物を売る華人やエジプト人のムスリムの姿が見られるほか、礼拝には出身地の様々なムスリムが訪れ、台湾におけるイスラム教の発展と民族的多様性を垣間見ることができます。
台北モスクでは外部の人間向けに見学ツアーも開催しており、ムスリムでなくとも建物内部を参観することができます。ぜひ台北モスクを訪れて、台湾のムスリム社会を覗いてみてください。
台北清真寺のハラールマーケット
- 住所:台北市大安區新生南路二段62號(map)
- 開催時間:毎週金曜の10:00~14:00
- アクセス:MRT赤線「大安森林公園」駅から徒歩10分
参考文献
参考サイト、ページ
- 賈福康 台灣回教史
- 趙錫麟、張中復 主命的傳承裕延續 回教在台灣的發揚和展望
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Twitterでは「#台湾のムスリム社会」で、時々関連ツイートをしています
外国に行った気分…に見せかけて台北の回教公墓です。白崇禧の一族の墓で、台北市の古蹟。この佩璋亭はイスラム建築らしくタイル装飾が施されたドームを頂いています pic.twitter.com/BI323UrJmn
— amikawa (@amikawa125) June 20, 2020
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