バンコクから鉄道で4時間ほどのところにあるロッブリーは猿の街として知られており、特にクメール期の寺院、ワット・プラーン・サン・ヨッドが有名ですが、クメールの時代に入る前のドゥヴァーラヴァティー期にもある程度発展していたことがわかる遺跡が残っています。
ドゥヴァーラヴァティーとは6〜12世紀ごろに、タイのナコーン・パトムを中心に外部との交易で繁栄し、タイで最も早く歴史の文献に現れるインドの影響を受けた(Indianized)仏教王国で、その担い手はモン族だと考えられています。
ドゥヴァーラヴァティー関連の記事:
▶︎古くから交易で繁栄し、中国の陶磁器も見られるラーチャブリーの国立博物館 | RATCHABURI NATIONAL MUSUEM
▶︎ナコーン・パトムのドゥヴァーラヴァティー遺跡と博物館 | NATIONAL MUSEUM OF PHRA PATHOM CHEDI
▶︎ドゥヴァーラヴァティー期の都市遺跡カムペーン・セーン古代都市 | Kamphaeng Saen Ancient City
ワット・ナコーン・コサ | Wat Nakhon Kosa
ロッブリーの鉄道駅から線路沿いに北へ歩くと、レンガの塊のような遺跡が見えてきます。入り口を入ると手前にはアユタヤ期の寺院があり、向かって左側にドゥヴァーラヴァティー期のチェディ(ストゥーパ 仏塔)があります。
だいぶ崩れていますが、奥に見えるレンガの塊がドゥヴァーラヴァティー期の仏塔です。すでに風化し、草に覆われています。
手前の壁は17世紀のナライ王の時代に足されたもののようです。
ワット・ナコーン・コサ(仏塔) |
仏塔手前に破壊された仏像が残っていますが、これもドゥヴァーラヴァティー期のものではなく、おそらくナライ王の時代に作られたものでしょう。
ワット・ナコーン・コサ(仏像) |
ワット・ナコーン・コサ(仏塔のレンガ) |
ワット・ナコーン・コサ(仏塔側面) |
ワット・ナコーン・コサ(仏塔基礎部分) |
ワット・ナコーン・コサ(仏塔上部) |
案内板によると、1987−88年にかけて発掘調査が行われたそうで、その時に出土したものはソムデット・プラ・ナーラーイ国立博物館(Somdet Phra Narai National Museum)に展示されています。
ワット・ナコーン・コサ(祭壇) |
仏塔の裏側にはこのような祭壇がありました。仏像は比較的新しいもののように見えます。
ドゥヴァーラヴァティー期の環濠跡
これによると紫の線がドゥヴァーラヴァティー期の都市を囲む環濠だったようです。(ちなみに青がアユタヤ期、緑がラッタナコーシン期)
ロータリーの東側、Narai Maharach Roadから環濠を眺めた図。結構な幅があり、現在も水が入っています。
一部にはこのようにレンガの壁が残っていました。
ワット・ナコーン・コサ Wat Nakhon Kosa
215 Narai Maharach Rd, Tambon Tha Hin, Amphoe Mueang Lop Buri, Chang Wat Lopburi (map)
当ブログの文章・画像の無断転載を禁じます。
コメント
コメントを投稿