ミニバスで18時間、マナリからラダックのレーへ行く


2015年の8月、私は初めてインドを訪れ、長年の憧れであったラダックへと向かいました。この記事では、マナリからラダックのレーへのミニバスで向かった道中の様子を記録していこうと思います。



ラダックは秘境のようなイメージがあったのですが、実際に行ってみると案外たどり着くのは難しくありませんでした。

レーへのアクセス方法は陸路と空路があります。

もちろん空路の方が早いし楽です。それに道路が閉鎖される冬季にも利用することができきます。今回は大学の夏休みを利用しての旅だったので時間はたくさんあり、私は陸路でレーを目指すことにしました。

ダラムサラからマナリまで

インドに着いた私はデリー、ダラムサラを巡り、そこからラダックのレーを目指しました。事前に調べたところによると、ダラムサラからレーへ行く場合途中のマナリという街からミニバスが出ているという話でした。

ダラムサラで泊まっていたゲストハウスでマナリまでのバスのチケットを手配してもらい、夕刻に出発したバスは、早朝の夜が明ける前にマナリに到着しました。

▶︎ラダックへの拠点、マナリのDAMINI GUESTHOUSEで1.5泊


マナリの街

バシストでレーへのミニバスチケットを手配

私が滞在したのはマナリの隣町バシストという街で、温泉が湧いており小さいながらも多くの旅行者が訪れる街でした。外国人向けのレストランや商店に旅行代理店、宿泊施設が並んでいました。

宿泊していたゲストハウス Damini Guesthouseのスタッフにレーへの移動手段を尋ねると、1日で行くルートと、2日で行くルートがあることを教えてもらえました。

その時に教えてもらった料金は

1日で行くチケットが1800Rs(3000円弱)で、2:00am出発。所要時間18時間ほど。

2日のチケットは2800Rs(4800円程度)で8:00amに出発し、途中でKeelungで一泊。

料金や出発時間は、時期や手配してもらうゲストハウスや代理店で異なることもあると思うので、あくまでも参考程度に留めておいてください。

私は1日で行くチケットを手配してもらい、深夜の2時にゲストハウスのスタッフ クリシュナさんに乗り場まで付き添ってもらいました。

およそ時間通りに現れたミニバスには既にマナリからの旅行者数人を乗せており、バシストから乗る私はおそらく最後の乗客だったようでした。

Leh–Manali Highwayについて

Googleより

レー・マナリ・ハイウェイは、インド北部のヒマーチャル・プラデシュ州のマナリとジャンムー・カシミール州のラダック・レーを繋ぐ490kmの軍用道路で、夏の4ヶ月半(5月もしくは6月〜10月半ばまで)開通しています。

2019年にRohtang Tunnelが開通する予定で、このトンネルができると両者の距離が60kmほど短縮できるそうです。

この道路の平均標高は4000mで、最も高いところは5328mに及びます。そのため高山病にかかるリスクもありますし、山道で舗装されていない区間もあるので車酔いしやすい人には過酷なルートです。

私は非常に車酔いしやすいタイプなのですが、幸いにもこのルート上で吐くことはありませんでした。個人的にダラムサラ〜マナリ間の方がしんどく、道中で四回も吐きました(しかも持参したビニール袋に吐いて、その袋を道中ずっと握りしめていました…)。

そんな経験からですが、吐く原因のひとつに車種が関係していると考えています。ダラムサラ〜マナリ間はローカルバスで、車体も相当古そうでした。デリー〜ダラムサラ間はボルボバスだったので乗り心地は問題なかったですし、今回のマナリ〜レー間のミニバスも大丈夫でした。

マナリからレーまでの道中

この動画は私が2015年8月にマナリからラダックのレーまでのミニバスの道中を撮影したものです。道中の雰囲気はこんな感じでした。


この動画の関連動画でも多数出てくるように、このルートはバイク乗りの人たちにも人気があるようで、バイクをレンタルして大人数でツーリングをするのがアクティビティのひとつになっています。


深夜の2時に私たちを乗せたミニバスが出発しました。暗く外の景色も見えないのですることは眠ることだけ。灯りのない山道をミニバスは進んで行きました。

やがて辺りが白み始めると景色が見えるようになってきます。


舗装されていないダートのため砂埃が激しいものの、絶景の連続にカメラを構えずにはいられません。



この道路は軍用道路のため、しっかり舗装されている部分もあります。

舗装されているとはいえ、時々落石のため道路に転がった岩をどかしながら進まないといけなかったり、それなりに交通量も多いので対向車とすれ違う必要もあり、ところどころで渋滞することもありました。



渋滞の原因は対向車とのすれ違いだけではありません。

この道路は羊やヤギの放牧をしている人たちにも利用されているので、時々停車して彼らをやり過ごすことになります。


山の間をくねくねと進む道路。背後には雪を頂いた山々が連なります。





テントで食事休憩

道中にはこのようなテントが集まったポイントがいくつかあり、温かいチャイや食事を取ることができました。


テントの中では足を伸ばしてくつろげるので、長時間の乗車で固まった身体をほぐすのにちょうどいいです。


休憩ポイントでは温かい食事にありつけるとはいえ、高山病の症状で知られているように、高所では食欲不振になることがあります。

私もこの時あまり食べられそうになかったので、温かいチャイとフライドエッグだけ注文しました。


ブルーシートで組み立てられたテントの中は視界全体が真っ青。

テント内部のキッチンでは、その場でいろんなメニューを作ってくれます。



ミニバスはこのような10数名乗りで、運転手は2名の交代制でした。大きい荷物は屋根に乗せられるので、車内には手荷物のみを持ち込むことができます。防寒着も忘れずに。

休憩所ではダラムサラでもよく見かけたウールのショールも売られていました。私が訪れたのは8月の後半でしたが、高度が高いため結構冷えます。もし防寒が十分でない場合はここでショールを買い足すことができます。


私たちのミニバス一行が休憩を終える頃、バイクでツーリングをしているグループも休憩ポイントに現れました。




休憩を終えて、再び路上へ

交代した運転手は、インドのポップスを大音量でかける人でした。


完全に自分のイメージですが、「西域」という言葉が合いそうな風景です。


植物も生えない不毛のような大地ですが、こんな場所にも道路が通っています。

こんな風景を目にすると、すごく遠くへ来たような気分になります。



やがて2回目の食事休憩のポイントに到着しました。



1回目の休憩と同じように、ここでも温かい食事が提供されています。

私はチャーハンを注文しましたが、やはり高山病の症状なのか少ししか食べられませんでした。とりあえず水分だけは補給することを意識して再度車に戻ります。



標高の高い場所を走っているところ。この辺りは平原になっていて、まっすぐな道が続いています。

チベット文化のシンボルとも言える、タルチョがはためく仏塔が突如現れました。


舗装された道が続き、そろそろレーに到着するだろう…と思ってからが長かったです。


夜8時ごろ、定刻通りレーに到着

レーに着いたのは日も暮れてしばらく経ってからで、午前2時に出発してから18時間が経過していました。幸い道中はハプニングもなく、およそ定刻通りの夜8時ごろ、ミニバスはレーのバスターミナルに到着しました。

状況によっては24時間かかることもあるという話なので、18時間で着いたのは運が良かったと言えます。

私は同じミニバスに乗って来た旅行者とタクシーを捕まえ、市街に入っていきました。




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