イスタンブールのドミトリーで出会った仲間とねこ活をした | Cats in Istanbul, Turkey


旅には再現性がない。その時の出会いや出来事はその時にしか体験できないもので、同じ日数、同じ場所へ再び訪れたとしても、二度と同じ体験はできない。

私の旅のスタイルは基本的にはひとり旅で、宿代の節約のためにドミトリーに泊まることが多い。お金の節約が目的なので、ドミトリーでの出会いには期待していない。むしろ部屋では気配を消して、人との関わりを避けるタイプだ。それでも時々同じような境遇の人に誘われたりして、一緒に観光に出かけることもある。


映画『kedi(猫が教えてくれたこと)』にも描かれるように、イスタンブールはねこの街として知られている。実際、空港からトラムを乗り継いでゲストハウスに向かう途中にも何匹ものねこちゃんに遭遇した。

2018年の夏。イスタンブール旧市街に近い最安値のゲストハウスには、夏休みだからか世界各国のバックパッカーが集まっており、ベッドの下段に自分と同じくらいの年の日本人女性がチェックインしてきた。


その人はアイルランドでのワーキングホリデーを終え、主に東欧や黒海周辺の国を旅しながらトルコまで旅してきたのだという。自転車で長距離を走るスタイルの旅行も好きだという彼女とはとても話が合った。

彼女は旅の途中で何度も行動を共にしている台湾人女性の友人がおり、その彼女もまもなくイスタンブールに到着すると話していた。

私とアイルランド帰りの彼女がチェックインした翌日に、その台湾人女性もイスタンブールに到着し、近くのゲストハウスにやってきたということで、私たちは3人でイスタンブールの街の散策に出かけることにした。


イスタンブールのどこへ行けばねこに会えるのか。そんなことを考えなくても、街中のいたるところにねこの姿を見ることができる。しかしとりわけ私たちがこの日訪れた、アジアサイドのカドキョイの海沿いの岩場には多くのこねこちゃんたちが集まっていた。


お世話をする人間がいるためか、ここの子たちは人間に慣れている子が多かった。一緒に遊んでくれたり、撫でを要求してくる子もいるほどだ。

子ネコたちで集まってカリカリを食べる様


この日知り合った台湾人女性は、偶然にも私が台湾で在学している大学の卒業生だった。年齢は近いが、私が大学に入学したのは20代後半になってからなので、彼女は大先輩にあたる。それにしてもたまたま旅行で出かけた先で出会った人の旅の仲間が同じ大学の学生だとは。世界は狭い。


そろそろ日が暮れる。ここで暮らすねこちゃんたちは、毎日このような光景を瞳に映しながら生きている。対岸にはブルーモスクが見える。


映画や話には聞いていたトルコのねこの家。木製でしっかり作られており、水も常備されている。


イスタンブールはヨーロッパとアジアの境界の街だ。アイルランドを始め、東欧を長く旅行してきた彼女ら。私たちはこの日、イスタンブールのヨーロッパサイドからアジアサイドへと小さな旅をした。彼女らにとってはおよそ一年ぶりのアジアの地だった。

 

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